10. NAMSの勧告

 
'90 年代以前では、女性に対して男性ホルモンを投与することは、アメリカでもほとんど行われていなかったようです。1993 年の北米更年期学会の総会でのアンケート調査によれば、女性にテストステロンを処方している医師の割合は約 50% でした。しかしここ数年はサテライトシンポジウムのテーマとして、更年期の女性に対するテストステロン補充療法が取り上げられるようになり、2001 年の総会のシンポジウムでこのような勧告を出しています。また先週埼玉で開催された日本更年期学会の招請講演でも、シンシナチ大学の Dr. Gass はアンドロゲン欠乏症の存在を認めた上で、これらの症状に対するテストステロンを初めとする各種の薬剤で FDA で正式に認められたものはまだないと述べています。いずれにしろテストステロンは「男性」ホルモンではあっても、「男性 - 専用」ホルモンではないことを、改めて強調したいと思います。